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包丁の研ぎ方

包丁の研ぎ方監修:おいしい体験教室代表・料理家 西芝一幸

和歌山県生まれ。

大阪辻調理師専門学校を卒業後、国内外での日本料理のシェフを務め、料理学校に転職。

「日本料理教室いただきます」として起業し、​​現在「おいしい体験教室いただきます」と変更し、現在教室でのレッスンだけでなく、おいしさを体感できるプロジェクトを推進。基本の形を大事にしながら「繊細かつ大胆に!」料理のモットーに指導している。

過去ZWILLINGの研ぎレッスン受講者は200名を超える、丁寧かつ実践に活用できる講義として人気。

シャープニングスチール

ヨーロッパで主流の研ぎのスタイル。刃先に脂がついて切れ味が悪くなった時や刃先の角度を修正するときに使用。


1. 構え方

左手でシャープニングスチールの先端が斜め45°になるように構えます。右手は包丁をクロスするように斜め45°に持ちます。

シャープニングスチールの側面部分と包丁の刃先を適度な角度(10°~20°)に合わせます。


2. オモテ面を研ぐ

シャープニングスチールを軸に、包丁を顎から切っ先に向かって全体を弧を描くように研ぎます。その際シャープニングスチールと包丁の角度を一定に保ちます。


3. ウラ面へ持ち替える

刃先をシャープニングスチールのウラ面に当てます。シャープニングスチールの側面部分と包丁の刃先部分を適切な角度(10°~20°)に合わせます。


4. ウラ面を研ぐ

オモテ面と同様にシャープニングスチールの包丁の刃先全体をこするように一定の角度で研ぎます。


刃先が修正されるまでステップ2~4を繰り返します。

片面5~10回ほど行います。

包丁を研いだら砥石のお手入れ(面直し)も忘れずに

包丁を研いだら砥石のお手入れ(面直し)も忘れずに

包丁を研ぐと、刃だけでなく砥石の表面も削れてへこんでいきます。削れてしまった砥石では包丁を上手く研げないため、砥石の表面を平らに削って「面直し」をする必要があります。


面直しをする際は、面直し砥石やドレッシングストーンといわれる平面の砥石を使用して砥石の表面を平らに研ぎます。均等の力で面直しをしないと、斜めに削れてしまう場合があるので注意してください。定規などを当ててみて、平らに削れているか確認しながら研ぐとよいです。


面直しの頻度は、砥石の使用頻度によりますが、こまめにお手入れすることをおすすめします。大きく凹んだり斜めになったりする前にお手入れすることで、毎回の面直しにかける時間が短く済みます。

砥石の選び方

砥石・シャープナーを選ぶポイント

包丁を研ぐ際には、刃先の「修復」と「維持」という目的に応じて、砥石、シャープニングスチール、シャープナーなどの研ぎ器を使い分けます。

包丁を長持ちさせるためには、目的・種類・状態に合わせた研ぎ方を知ることが大切です。

包丁を研ぐためのアイテムの特徴

砥石

砥石

砥石は目的別に荒砥、中砥、仕上砥と大きく3つに分けられます。これらは砥石の中に含まれる「砥粒」の大きさが基準となる「粒度」により区分されています。切れ味を取り戻すにはできるだけ3種類の砥石を使って研ぐことをおすすめします。


粒度とは、砥石のきめの細かさのことで、#80~#10000の番号で分類されています。粒度は小さいほど荒く、大きいほど細かいものを表しています。

包丁のお手入れはシャープナーのみでもいい?

包丁のお手入れはシャープナーのみでもいい?

シャープナーは手軽に研げるメリットがありますが、切れ味を長持ちさせるような本格的なメンテナンスは砥石の方が優れています。ただし、砥石でのお手入れは難易度が高く手間もかかるため、日常使いは難しいのが難点。


そこで、普段のお手入れにはシャープナーを使用し、時々(数ヶ月に1回程度)は砥石を使って本格的にお手入れをするとよいです。初心者の方は、研ぎ直しのサービスを利用するのもおすすめです。

包丁の切れ味を長持ちさせるコツ

包丁の切れ味を長持ちさせるコツ

包丁の切れ味を長持ちさせるために、いくつか注目したい使い方のコツがあります。


《木製のまな板を使う》

包丁の刃を傷つける大きな原因は、まな板にあります。硬い素材のまな板を使用すると、刃が欠けたり刃こぼれしたりして、切れ味が悪くなります。


《硬い食材を切らない》

硬い食材を無理に切ると、刃を傷つける原因になります。冷凍食品は解凍してから切り、肉や魚の骨を切る際は、専用の包丁を使うようにします。


《高温で熱しない》

包丁を直火にあてたり、高温になる場所に置いたりすると、刃が傷んで切れ味が悪くなります。刃を温めたいときは、直火にあてずお湯で温める程度にしましょう。

定期的なメンテナンスの必要性

毎日の調理に欠かせないナイフ。切れ味の良いナイフを使うと、ストレスなく食材を切ることができて調理がはかどる上、組織をつぶさないので、食材の本来の旨味を引き出します。

ナイフには料理の出来を左右する力があるのです。しかし、どんなナイフでも使い続けると摩耗して、徐々に切れ味が落ちてくるのは仕方のないこと。正しくお手入れしながら大切に使うことで、食材をスパッと切る鋭さを保つことができます。


包丁の切れ味が落ちる5つの理由:



  1. 硬すぎる食材を切る
  2. 硬すぎるまな板の使用(例:ガラス、セラミックや石製)
  3. 間違った研ぎ方
  4. 食洗機の使用。高温での乾燥は包丁を痛めてしまいます。
  5. 包丁を正しく収納できていない(例えば包丁の刃が硬いものにあたるような収納方法)

まとめ

どんなに優れた包丁も、使用すれば切れ味は悪くなっていきます。切れ味を長持ちさせるために、定期的なメンテナンスが大切です。切れ味のよい包丁を使用すれば、料理がストレスなく行えるだけでなく、食材の見た目がよくなったり調理時間が短縮できたりします。日々使う包丁を定期的にお手入れをして、切れ味を長持ちさせましょう。

ツヴィリング マーケティング部 監修