更新日:2023年6月23日
包丁の研ぎ方
砥石
1. 準備
砥石の表面を少量の水で濡らします。包丁を研ぐ間は砥石が乾かないように注意します。
2. オモテ面を研ぐ
刃先を手前に向けた状態で、包丁を砥石に対して45°(10円玉2~3枚程度)の角度を保ちます。刃を3本の指でしっかり押さえ、前後にリズミカルに動かして包丁全体を研ぎます。
3. ウラ面を研ぐ
同様にウラ面も一定の角度を保ちながら全体を研ぎます。刃先を親指で触れて、均一な「カエリ(金属のまくれによるざらつき)」が出たのを確認します。
4. 仕上げ:「カエリ」を取る
「カエリ」を取ります。砥石をなでるイメージで、刃先全体で斜めの弧を描くように包丁を動かします。
包丁を洗い、乾いた手ぬぐいなどで水気を取ります。研ぎ上がりを確認するために新聞紙などで切れ味を確認します。
※動画監修:おいしい体験教室代表・料理家 西芝一幸 先生
包丁の研ぎ方監修:おいしい体験教室代表・料理家 西芝一幸
和歌山県生まれ。
大阪辻調理師専門学校を卒業後、国内外での日本料理のシェフを務め、料理学校に転職。
「日本料理教室いただきます」として起業し、現在「おいしい体験教室いただきます」と変更し、現在教室でのレッスンだけでなく、おいしさを体感できるプロジェクトを推進。基本の形を大事にしながら「繊細かつ大胆に!」料理のモットーに指導している。
過去ZWILLINGの研ぎレッスン受講者は200名を超える、丁寧かつ実践に活用できる講義として人気。
シャープニングスチール
ヨーロッパで主流の研ぎのスタイル。刃先に脂がついて切れ味が悪くなった時や刃先の角度を修正するときに使用。
1. 構え方
左手でシャープニングスチールの先端が斜め45°になるように構えます。右手は包丁をクロスするように斜め45°に持ちます。
シャープニングスチールの側面部分と包丁の刃先を適度な角度(10°~20°)に合わせます。
2. オモテ面を研ぐ
シャープニングスチールを軸に、包丁を顎から切っ先に向かって全体を弧を描くように研ぎます。その際シャープニングスチールと包丁の角度を一定に保ちます。
3. ウラ面へ持ち替える
刃先をシャープニングスチールのウラ面に当てます。シャープニングスチールの側面部分と包丁の刃先部分を適切な角度(10°~20°)に合わせます。
4. ウラ面を研ぐ
オモテ面と同様にシャープニングスチールの包丁の刃先全体をこするように一定の角度で研ぎます。
刃先が修正されるまでステップ2~4を繰り返します。
片面5~10回ほど行います。
砥石・シャープナーを選ぶポイント
包丁を研ぐ際には、刃先の「修復」と「維持」という目的に応じて、砥石、シャープニングスチール、シャープナーなどの研ぎ器を使い分けます。
包丁を長持ちさせるためには、目的・種類・状態に合わせた研ぎ方を知ることが大切です。
包丁を研ぐためのアイテムの特徴
砥石
砥石は目的別に荒砥、中砥、仕上砥と大きく3つに分けられます。これらは砥石の中に含まれる「砥粒」の大きさが基準となる「粒度」により区分されています。切れ味を取り戻すにはできるだけ3種類の砥石を使って研ぐことをおすすめします。
粒度とは、砥石のきめの細かさのことで、#80~#10000の番号で分類されています。粒度は小さいほど荒く、大きいほど細かいものを表しています。
定期的なメンテナンスの必要性
毎日の調理に欠かせないナイフ。切れ味の良いナイフを使うと、ストレスなく食材を切ることができて調理がはかどる上、組織をつぶさないので、食材の本来の旨味を引き出します。
ナイフには料理の出来を左右する力があるのです。しかし、どんなナイフでも使い続けると摩耗して、徐々に切れ味が落ちてくるのは仕方のないこと。正しくお手入れしながら大切に使うことで、食材をスパッと切る鋭さを保つことができます。
包丁の切れ味が落ちる5つの理由:
- 硬すぎる食材を切る
- 硬すぎるまな板の使用(例:ガラス、セラミックや石製)
- 間違った研ぎ方
- 食洗機の使用。高温での乾燥は包丁を痛めてしまいます。
- 包丁を正しく収納できていない(例えば包丁の刃が硬いものにあたるような収納方法)
ツヴィリング マーケティング部 監修