おせち料理は日持ちする?長持ちしやすい保存方法を徹底解説!

おせち料理は日持ちするの?正しい保存方法と上手く保存するポイント徹底解説

おせち料理は、新年の神様にお供えし、家族の幸せを願って用意する日本の伝統的な料理です。大晦日から用意して、三が日の間に食べる料理といわれており、日持ちのする料理を詰めるのが定番となっています。しかし、実際どれくらい日持ちするのか、どうやって保存するべきか、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、おせち料理の保存方法や日持ちについて詳しく解説します。日持ちをよくするコツもご紹介するので、参考にしてみてください。

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おせち料理は日持ちする?正しい保存方法は?

おせち料理は日持ちする?正しい保存方法は?

おせち料理は、大晦日に用意して三が日にかけて食べる日本のお正月に欠かせない料理です。三が日で食べ切るために、日持ちがするよう工夫されたものが多いですが、料理によって賞味期限が異なります。


「手作りなのか、購入したものか」「どんな料理が入っているか」「保存方法は冷蔵か冷凍か」といったポイントを確認して、保存期限を考慮しましょう。


保存方法は、冷蔵か冷凍での保存が基本です。寒い季節でも、暖房の効いた室内での常温保存は傷んでしまう恐れがあります。手作りか購入したものかによっても保存方法が異なるため、それぞれの保存期間や保存方法について詳しく確認していきましょう。

おせちが傷んでいるサイン

おせち料理は、日持ちするように工夫して調理されていますが、保存状態によっては傷んでしまう場合もあります。傷んでいるサインとして一番分かりやすいのが、ツンとした酸っぱい異臭がすることです。また、粘りがでていたり、カビが生えていたり、汁が濁っていたりする場合は、明らかに傷んでいると判断できます。まずは臭いや見た目で確認しましょう。


特に生魚やいくらなど、加熱していない魚介類を使った料理は、異臭やぬめりが早く出やすいので要注意です。少しでも酸味や違和感がある場合は、食中毒のリスクがあるため、決して食べずに処分してください。

常温保存は避けるべき理由

常温保存は避けるべき理由

おせち料理は、元々冬の寒い時期に気温の低さを利用して保存する料理です。現代の暖房の効いた部屋で保存すると、雑菌の繁殖が避けられません。特に、20~30℃前後の温度は、雑菌の増殖が起こりやすく、おせち料理の保存には適しません。温度の高い場所は避け、冷蔵庫や冷凍庫など温度が5℃以下の冷暗所で保存するのが基本です。


やむを得ず常温に置く場合は、保冷剤を入れた発泡スチロール箱に保存する等の工夫が必要です。暖房の効いた部屋に長く置くと食中毒のリスクが高まるため、食べる直前に保存場所から取り出すようにしてください。

手作りおせちの保存方法・日持ち期間

手作りおせちの保存方法日持ち期間

手作りのおせち料理について、保存期間別に日持ち期間をご紹介します。日持ちを長くしたい場合は、砂糖や醤油などの調味料で濃いめに味付け、汁気を切って品目別に容器に入れて保存すると長持ちします。

手作りだからこそ注意したいポイント

手作りだからこそ注意したいポイント

手作りのおせち料理を安全に食べ切るために、調理段階で気をつけておきたいポイントがあります。まず、おせち料理の基本は「濃い味付けにする」「水分を減らす」ことです。多めの塩や砂糖、酢などの調味料を使うことで、防腐効果が期待できます。煮物や酢の物は、通常よりも濃いめに味付けしておくと保存性が高まります。また、料理の汁気を切っておくことで、雑菌の繁殖をふせぐことができます。汁気が多いと、他の料理にも雑菌が移ってより繁殖しやすい環境になるため注意が必要です。


さらに、保存中に時々火入れをするのも効果的です。黒豆や筑前煮などの煮物は、1日1回程度火を通すことで、日持ちがよくなります。再加熱後は常温で放置せず、冷ましてから保存容器に移して冷蔵庫に入れます。


また、料理を小分けにしておくのも保存性を高めるコツです。食べる分だけ取り出せるようにしておくことで、温度管理がしやすく衛生的に保存できます。小分けにすることで、他の料理に水分や臭いが移る心配もなく、美味しく長く保存できるメリットがあります。

購入したおせちの保存方法・日持ち期間

購入したおせちの保存方法・日持ち期間

おせち料理を通信販売やデパートなどで購入した場合、日持ちはどうなるのでしょうか?保存方法別に確認していきましょう。


購入したおせち料理は、記載された保存期間に従って期間内に食べ切るようにします。保存方法が明記されている場合は、表示に従って正しく保存してください。

冷凍に向かないおせち料理

おせち料理を冷凍保存する際、食材によっては食感が大きく変化してしまう場合があるので注意が必要です。例えば、数の子は水分が多く、冷凍すると細胞組織が破壊されて食感が水っぽくなり、パリッとした歯ごたえが損なわれがちです。

こんにゃくも同様に、含まれる水分が凍ることでスポンジのような状態になり、独特の弾力が失われます。にんじんやれんこん、ごぼうなどの根菜は、冷凍することで繊維が壊れ、解凍後に内部の水分が抜けてフニャフニャとした柔らかい食感に変化してしまいます。

冷凍・解凍によって食感が変わりやすい食材については、できるだけ冷蔵保存で短期間に食べ切ることをおすすめします。

おせち料理の品目ごとに日持ち・保存期間をご紹介

おせち料理の品目ごとに日持ち・保存期間をご紹介

おせち料理の大体の保存期間をご紹介しましたが、個別の料理によって保存期間の目安が異なります。


ここからは、おせち料理の代表的な品目について、保存方法や日持ち、保存期間をご紹介します。正しい保存方法やコツを押さえて、美味しさをキープしたまま保存しましょう。


保存期間は、正しく保存した場合の目安です。おせち料理が腐るとどうなるのか、変化がわかりにくいものもあるため、必ず食べる前に傷んでいないか見た目や臭いなどで確認しましょう。

おせち料理を上手く保存するためのポイント

おせち料理を上手く保存するためのポイント

おせち料理を美味しく長く保存するために、いくつか押さえておきたいポイントがあります。


《おせち料理を美味しく保存するためのポイント》

  1. 保存する際は、料理別に小分けにしてラップや密封容器で密封して保存する
  2. 取り分けの際は、じかに箸をつけず、取り分け用の清潔な箸を使用する
  3. 手作りの場合は、調味料をしっかり使う


料理を冷蔵庫から出したり入れたりを繰り返すと、傷みが早まる可能性があります。小分けにして保存し、食べる分だけ取り出して食べ切るのが長持ちのコツです。


また、汁気の出やすい料理は汁気を切ったり拭き取ったりして保存すると長持ちします。保存方法や食材、調理法によって、同じ料理でも日持ちが大きく変わることがあります。しばらく保存したおせち料理は、食べる前に見た目やにおいなどを確認して、傷んでいないか確認すると良いでしょう。

お重のままはNG?保存容器の選び方

お重に盛り付けたおせち料理はお正月らしく華やかですが、お重のまま保存する際は注意が必要です。お重は、隙間が多く密閉性が低いため、空気や湿気が入り込みやすいです。また、仕切りの底面が抜けているタイプのお重では料理同士が混ざりやすく、雑菌の繁殖リスクも高まります。


安全に長持ちさせるためには、湿気の侵入を防げる密閉容器や、真空容器での保存がおすすめです。真空容器は、空気を抜いて保存できるので、酸化や雑菌繁殖を抑えることができます。栗きんとんや田作りのような汁気がない料理は乾燥しやすいため、密閉容器や真空容器で保存するとパサつきを防ぐことができます。


また、料理ごとに小分けにして保存することで、取り出しやすく温度管理もしやすいメリットがあります。特に冷凍保存する料理については、一回に食べる量で分けておくと、食事の準備がしやすく無駄なく解凍できて便利です。小分けにする際も、できるだけ空気に触れないよう密閉容器で保存するのがおすすめです。

冷蔵庫が満杯の時に使える安全な保存場所

冷蔵庫が満杯で、おせち料理が保存できない場合は、発泡スチロール箱やクーラーボックスに保冷剤を入れて保存する方法があります。室温より低い環境で保存ができ、雑菌の繁殖が防げます。この方法では、料理を密閉容器に入れて発泡スチロール箱やクーラーボックスに入れ、周りに保冷剤をたっぷり置き、温度変化を極力抑えるように整えます。蓋を開けるたびに温度が上がるので、箱の開閉は最小限にするのも重要なポイントです。


ただし、この方法は冷蔵庫での保存に比べて温度管理の徹底が難しいため、できるだけ短時間に限定することが大切です。長期間の保存には向かない点を理解しておきましょう。


室温で保存する際は、北側の部屋など日当たりの少ない場所を選び、10℃以下の低温が保てる環境に置きましょう。温度変化の激しい場所や通気性の悪い環境に置くと、雑菌の繁殖リスクが高まるので注意してください。

おせちが余ったときにおすすめのレシピ2選!

おせちが余ったときにおすすめのレシピ2選!

おせち料理が余ったときは、別の料理やスイーツにアレンジして食べ切るのがおすすめです。代表的なおせち料理のアレンジレシピをご紹介します。

まとめ

まとめ

おせち料理は、お正月の三が日に食べられる日持ちのよい料理が定番です。保存方法や調理法などを工夫することで、美味しさをキープして長持ちさせることができます。冷蔵・冷凍を上手く活用して、最後まで美味しく食べ切りましょう。


何日も続けて食べて飽きてしまったら、違う料理やスイーツにアレンジして楽しむのもおすすめです。ご紹介したレシピを参考に、ぜひおせち料理を活用してみてください。

料理研究家/調理師・食育インストラクター

馬原 香織 監修



https://cooking-salon-mahara.com/