蒸し器でじゃがいもを蒸す時間は何分?レンジ代用もOKな蒸し方レシピ

蒸し器でじゃがいもを蒸す時間は何分?レンジ代用もOKな蒸し方レシピ

じゃがいもは蒸すことで、旨味や栄養を逃さずホクホクした食感になります。蒸し器で蒸すのが基本ですが、蒸し器がない場合は、フライパンや電子レンジ、圧力鍋などで代用もできます。今回はじゃがいもを蒸す方法や手順、美味しく蒸すコツを詳しく解説します。蒸したじゃがいもを活用した簡単レシピもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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蒸し器を使ったじゃがいもの基本的な蒸し方

蒸し器を使ったじゃがいもの基本的な蒸し方

じゃがいもを蒸し器で蒸す場合の手順は、以下の通りです。


  1. じゃがいもを洗う
  2. 蒸し器の下段に水を入れて沸かす
  3. 蒸し器の上段にじゃがいもを並べ、下段に重ねる
  4. 蓋をして蒸す
  5. 竹串を通して、スッと通れば完成
じゃがいもの下準備

じゃがいもの下準備

じゃがいもは、加熱する前に水で表面を洗います。表面に泥が付いていたら、手でザっと洗い流し、汚れが落ちないときは、たわしやブラシを使用して表面の窪みに入り込んだ土や汚れを落とします。また、じゃがいもの芽には「ソラニン」という有毒物質が含まれるため、しっかり取り除きましょう。


丸ごと蒸す場合は、火の通りをよくするために、十字に切り込みを入れておくとよいです。


じゃがいもは、皮付きでも皮を剥いても蒸せますが、それぞれメリット・デメリットがあります。皮付きの場合はじゃがいもの風味が残りやすく、水分が抜けにくいためホクホクした仕上がりになりますが、火通りにやや時間がかかります。皮を剥いて蒸すと、皮付きに比べて早く火が通り、滑らかな食感が味わえますが、ややパサつきやすく最初に皮を剥く手間もかかります。

じゃがいもの下準備

【品種・サイズ別】じゃがいもの蒸し時間一覧表

日本でよく食べられる代表的なじゃがいもの品種は、男爵とメークインです。男爵は、丸くてゴツゴツした形状で、ホクホクした食感が特徴です。長く加熱すると崩れやすいので、コロッケなどじゃがいもをつぶして使う料理に適しています。一方メークインは、細長い形状で表面が滑らかでつるっとしています。しっとりした食感で、煮崩れしにくい特徴があります。


男爵とメークインの大きさ、切り方別の蒸し時間目安は以下の通りです。




品種 サイズ 切り方 蒸し時間
男爵 大(直径8cm以上) 丸ごと 約35分前後
大(直径8cm以上) 半分にカット 約20~25分
中(直径5~7cm) 丸ごと 約25~30分
小(直径3~5cm) 丸ごと 約20分
メークイン 大(130g以上) 丸ごと 約35分前後
大(130g以上) 半分にカット 約25~30分
じゃがいもの下準備

蒸し上がりの見分け方

じゃがいもに竹串を通して、スッと通れば蒸し上がりです。途中でひっかかるような感触や、ザラザラした刺し心地のときは、加熱が足りない状態です。5分追加で加熱し、竹串を刺してもう一度確認しましょう。

じゃがいもを蒸し過ぎると、水分が抜けてパサパサした食感になってしまいます。また、形が崩れてボロボロになってしまうこともあります。


加熱不足の場合は、中心が硬く食べられない状態です。また、一度にたくさん蒸し過ぎたり、蓋が密閉できていなかったりすると加熱ムラが起こり、中心まで加熱しきれないことがあります。この場合は、じゃがいもを小さく切ったり、蒸す量を減らしたりして、しっかり密閉したうえで再加熱する必要があります。

じゃがいもの下準備

じゃがいもをホクホクに仕上げる3つのコツ

じゃがいもは、蒸し方によってはパサついてしまうこともあるので、ホクホクに仕上げるコツを押さえておきましょう。


1.皮ごと蒸す

皮付きのまま蒸すと、水分が逃げにくく、パサつかずに中までホクホクに仕上がります。皮を取り除きたいときは、蒸し上がって熱いうちに手でスルッとむくと簡単にできます。


2.蒸し過ぎない

じゃがいもは蒸し過ぎると、形が崩れたりボソボソとした食感になったりして、理想的なホクホク食感に仕上がりません。じゃがいもの形状や太さによって蒸し時間が前後するので、目安の時間より5分早めに竹串でチェックするよいです。


3.蒸し器の蓋に布巾を巻く

蓋の内側についた蒸気が水滴になり、じゃがいもに落ちると水っぽくベチャっとした食感になります。水滴が落ちないよう、蓋に布巾を巻いておくとよいです。

竹製のせいろは、余分な水分を吸収してくれるので、じゃがいもが水っぽくなるのを防げます。

蒸し器がない時:鍋やフライパンでの代用方法

蒸し器がない時:鍋やフライパンでの代用方法

蒸し器がないときは、家にある鍋やフライパンで代用ができます。


《必要な道具》

  • 鍋かフライパンとぴったり閉まる蓋
  • じゃがいも
  • 蒸し台(なければ金属製のザルなどで代用可)


《手順》

  1. じゃがいもを洗う
  2. 鍋かフライパンに蒸し板を入れる
  3. 蒸し台の下まで水を入れる
  4. 蒸し台にじゃがいもをのせる
  5. 蓋をして蒸す
圧力鍋での加圧時間と注意点

鍋・フライパンでの蒸し方と時間

鍋やフライパンで蒸すときは、蒸し台とじゃがいもをのせた上でぴったり密閉できる蓋が必須です。浅いフライパンだと丸ごと蒸すのは難しいため、加熱する前に蓋ができるかどうか確認する必要があります。


鍋やフライパンに蒸し台を敷き、水を入れて加熱します。水の量は蒸し台よりも低い位置になるよう、調整しましょう。フライパンは、蒸し器に比べて入れられる水の量が少なく、途中で蒸発して空焚きになりやすいので注意が必要です。時々確認して、水が少なくなっていたら追加します。じゃがいもが水に浸って水っぽくなるのを避けるため、蒸し台より水位が上がらないようにしましょう。


蒸し時間の目安は、中くらいのサイズを丸ごと蒸す場合、約20~25分。半分にカットした場合は、約15~20分程度です。ひと口大に切った場合は、約10分が目安です。品種や大きさによって、蒸し時間は前後するため、時々竹串を刺して出来上がりを確認するとよいです。

【時短】圧力鍋を使ったじゃがいもの蒸し方

【時短】圧力鍋を使ったじゃがいもの蒸し方

時短で蒸したいときは、圧力鍋を使用するのがおすすめです。


《必要な道具》

  • 圧力鍋
  • じゃがいも
  • 蒸し台(なければ金属製のザルなどで代用可)


 《手順》

  1. じゃがいもを洗う
  2. 圧力鍋に蒸し台を入れる
  3. 蒸し台の下まで水を入れる(1~2cm程度でよい)
  4. 蒸し台にじゃがいもをのせる
  5. 蓋をして加圧を開始する


蒸し器に比べてとても早く加熱ができますが、やや水分が抜けやすくパサつきやすい傾向があります。

1.カットした生のさつまいもの場合

圧力鍋での加圧時間と注意点

圧力鍋で蒸す際の加圧時間は、じゃがいもの切り方や、圧力鍋の高圧・低圧によって異なります。中サイズのじゃがいもを丸ごと蒸す場合は、高圧では約5~6分、低圧では約10~12分程度が目安です。煮物やカレー用で乱切りにした場合は、高圧で約2~3分、低圧で約5~6分です。


火を止めた後はいずれも自然減圧が基本で、圧力が完全に抜けるまで放置します。減圧までの間にさらに余熱で火が通り、ホクホクに仕上がります。時間がないときは急冷してもよいですが、ホクホクとした食感がやや落ちる傾向があります。


圧力鍋の自然減圧とは、加圧調理後、蓋を開けずに放置し、鍋の中の圧力が自然に下がるのを待つ工程です。自然減圧をすることで食材にじっくり火が通り、沸騰による煮崩れを防ぐメリットもあります。


自然減圧の際は、鍋を動かしたり冷えた場所に移動したりすると、圧力が急激に下がってじゃがいもが崩れることがあります。保温が続くよう、できればコンロの上に置いたまま放置するようにします。安全ピンが下がるまで、蓋を開けないように注意してください。途中で開けてしまうと、高温の蒸気や食材が噴出する危険があります。

電子レンジでのじゃがいもの蒸し方

じゃがいもを手軽に蒸したいときは、電子レンジを活用する方法もあります。


《必要な道具》

  • 電子レンジ
  • じゃがいも
  • 耐熱皿
  • ラップ


《手順》

  1. じゃがいもを洗う
  2. じゃがいもが濡れた状態のままラップで包む
  3. 耐熱皿にのせて電子レンジで加熱する
1.カットした生のさつまいもの場合

ワット数・個数別の加熱時間と美味しく仕上げるコツ

中サイズのじゃがいもを、皮付きのまま丸ごと電子レンジで蒸す際の加熱時間の目安は以下の通りです。


電子レンジで蒸す際は、じゃがいもを濡らして水分をしっかりまとわせてから加熱するのがコツです。水分が無いと、乾燥してパサついてしまいます。また、複数のじゃがいもを加熱する場合やカットしたじゃがいもを蒸す場合、大きさに差があると加熱ムラが起きやすくなります。同じ大きさに揃えてカットし、じゃがいも同士を重ねずに等間隔に広げて置きましょう。


耐熱皿に複数のじゃがいもを置く場合は、中央を避けて耐熱皿の外周に並べると均一に火が入ります(電子レンジは外周の方が加熱される傾向があります)。丸ごと蒸す場合は、途中で上下を返すのもおすすめです。

個数 500W 600W
1個 約5分30秒~6分 約4分30秒~5分
2個 約9~10分 約7~8分
3個 約12~13分 約10~11分

蒸しじゃがいもの活用レシピと正しい保存方法

蒸したじゃがいもはホクホクの食感が特徴で、じゃがいもそのものの美味しさが存分に味わえます。ここでは、蒸したじゃがいもを活用した簡単なアレンジレシピと、蒸した後の保存方法をご紹介します。

圧力鍋での加圧時間と注意点

おすすめ活用レシピ3選

■じゃがバター

《作り方》

  1. じゃがいもに十字に切り込みを入れて蒸す
  2. 切り込みにバターをのせて完成

王道の蒸しじゃがいもレシピです。バターと一緒に明太子や青のり、しょうゆなどをかけてアレンジするとさらに楽しめます。おつまみや子供のおやつにぴったりです。



■ポテトサラダ

《作り方》

  1. じゃがいもを蒸して、お好みの加減でつぶす
  2. スライスした玉ねぎ、きゅうりを軽く塩もみして加える
  3. マヨネーズや塩で味付けする

蒸したじゃがいもで作ると、水っぽさがなくホクホク感が味わえます。ハムやゆで卵などを加えると豪華なひと品に。



■ポテトコロッケ

《作り方》

  1. じゃがいもを蒸して、マッシュする
  2. フライパンで玉ねぎのみじん切りとひき肉を炒め、塩コショウで味付けする
  3. 1と2を合わせ、丸く成形し、衣をつけて揚げる

蒸したじゃがいもで作ると、じゃがいもの旨味が感じられ、ホクホクのポテトコロッケが味わえます。チーズやベーコン、コーンなどお好みの具材でアレンジできます。

圧力鍋での加圧時間と注意点

冷蔵・冷凍での保存方法と期間

■蒸したじゃがいもの冷蔵保存方法

  1. じゃがいもが冷めてから、ラップでぴったり包む
  2. 冷蔵用保存容器に入れて保存する

冷蔵での保存期限は、2~3日です。皮付きのまま丸ごと冷蔵すると、でんぷん質が劣化して食感が悪くなります。風味も落ちやすく、水分を多く含む分傷みやすいため、皮を剥いてマッシュするかカットして保存することをおすすめします。


■蒸したじゃがいもの冷凍保存方法

  1. 蒸したじゃがいもをマッシュする
  2. 1回で食べ切れる量に小分けしてラップで包む
  3. 空気を抜いて、冷凍用保存袋に入れて保存する

冷凍庫での保存期限は、約1ヶ月です。じゃがいもは冷凍すると食感が損なわれるため、マッシュして冷凍するのが基本です。煮込み料理用に小さくカットして冷凍する方法もありますが、食感は確実に変わってしまいます。解凍する際は、冷蔵庫での自然解凍がおすすめです。急ぐ場合は、電子レンジで加熱してもよいです。

まとめ

じゃがいもは、蒸すことでホクホクした食感が味わえます。

蒸したじゃがいもはそのまま食べても美味しいですが、サラダやスープ、コロッケなどさまざまな料理にアレンジすることもできます。じっくり蒸して旨味がギュッと凝縮したじゃがいもで作った料理の美味しさは格別です。 


蒸し器のほかにも、家にある鍋やフライパン、圧力鍋、電子レンジなども活用できるので、ぜひ気軽に蒸しじゃがいもを楽しんでください。

よくある質問

じゃがいもは蒸すとビタミンCが壊れますか?

ビタミンCは、水に溶けやすく熱に弱い特性があります。そのため茹でると水に流出してしまいますが、蒸した場合は直接水に触れない分ビタミンCの流出が防げます。加熱により多少分解されてしまいますが、他の加熱方法に比べるとビタミンCを多く摂取できます。


蒸し器に何を敷けばいいですか?

蒸し器でじゃがいもを蒸すときは、蒸気の通りがよく、水滴が直接かからないようにする道具を使いましょう。付属の蒸し板や金属のザルが最適ですが、なければ蒸気穴をあけたクッキングシートでも代用できます。

料理研究家/調理師・食育インストラクター

馬原 香織 監修



https://cooking-salon-mahara.com/