カレーの保存方法とは?冷蔵・冷凍・常温で保存する際のポイントや注意点を徹底解説

カレーの保存方法とは?冷蔵・冷凍・常温で保存する際のポイントや注意点を徹底解説

一度にたくさん作って保存しておくことも多いカレー。翌日まで寝かせると美味しくなる、とも言われるため、敢えて一晩寝かせて食べる方も多いかもしれません。しかし、カレーは正しく保存しないと傷みやすいため注意が必要です。そこで、ここでは、カレーの正しい保存方法や、味や風味をキープするためのコツをご紹介します。ぜひ参考にしてください。

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カレーの正しい保存方法とは?

ゆで卵を冷蔵保存する方法とは?

カレーは、一晩寝かせると美味しくなると言われていますが、実はとても傷みやすい料理です。そのため、常温で放置するのはNG。保存する際は、冷蔵庫か冷凍庫で保存するのが鉄則です。冷蔵や冷凍で保存する際の、正しい保存方法や美味しく保存するためのコツをご紹介します。

カレーを保存する方法①冷蔵

ゆで卵を冷蔵保存する方法とは?

カレーを冷蔵保存する場合の保存期間は、2~3日程度です。カレーを温めたあと、できるだけ早く冷まして粗熱をとります。そして、一回で食べ切れる量で小分けにして保存するのが長持ちのコツです。温める際は、鍋に移し火にかけ、具材の中心までしっかり熱くなるまで加熱します。

すばやく冷まして粗熱をとる

食中毒を起こす菌は、30~40℃前後で最も活発に繁殖します。温めたカレーを放置しておくと、冷めていく過程で菌が発生しやすく食中毒のリスクが高まります。そのため、保存する場合はすばやく粗熱をとり、冷蔵庫で冷やすのが重要です。

熱々のまま冷蔵庫に入れると、庫内の温度が上がり他の食材を傷める危険もあるので、粗熱を取ってから冷蔵庫に入れましょう。粗熱をとる際は、カレー鍋ごと氷水にあて、混ぜながら冷ますとよいです。

小分けにして冷蔵保存

短時間で冷やすために、小分けにして冷蔵しましょう。小分けにすることで、食べる分だけ取り出しやすいメリットもあります。カレーは油分が多く臭い移りしやすいので、プラスチック製やゴム製の容器は避けたほうがよいです。ガラス製の容器や、ジップ付き保存袋に入れて保存することをおすすめします。


《容器別保存のコツ》

●ガラス製保存容器

油分や臭い移りに強く、カレーの保存におすすめ。蓋がプラスチック製の場合は、蓋にカレーがつかないよう、容器一杯まで入れないように注意する。


●ジップ付き保存袋

カレーを入れたら、空気を抜いて平らにならして保存する。


●プラスチック製容器

臭いや色が移りやすいため、おすすめしない。他に容器がない場合は、内側にラップを敷いて保存するとよい。

温める際は鍋でじっくり加熱する

冷蔵庫で保存したカレーは、鍋に移してルウや具材の中心までしっかり熱々になるまで、時々かき混ぜながら加熱します。電子レンジを使用すると、加熱ムラが起きやすく中心まで加熱できない可能性があるので、鍋での加熱をおすすめします。

やむを得ず電子レンジで加熱する場合は、途中何度か混ぜながら、数回に分けて加熱してムラなく加熱するようにしてください。

カレーを保存する方法②冷凍

カレーを保存する方法②冷凍

冷凍保存したカレーの保存期限は、約1ヶ月程度です。冷蔵より長く保存できるため、すぐに食べない場合は冷凍保存がおすすめです。ただし、冷凍に不向きな具材については、保存する時にひと手間加えておく必要があります。

また、美味しく食べるために、解凍する際に注意したいポイントがあります。詳しくみていきましょう。

冷凍に不向きな具材はすりつぶしておく

具材の定番でもあるじゃがいもやにんじんは、冷凍すると水分が抜けて食感が変わりやすいため、冷凍する際は取り除いてしまうか、すりつぶすのがおすすめです。じゃがいもやにんじんは、すりつぶしておけば食感の変化を感じにくく水分も出にくいので、美味しく食べられます。

冷蔵もしくは湯せんで解凍する

冷凍したカレーは、電子レンジで解凍すると水分が抜けたり風味が変化したりすることがあります。温めムラも起こりやすく、ジップ付き保存袋が溶けたり破けたりする可能性もあるので注意が必要です。

解凍する際は、冷蔵庫や湯せんで解凍後、鍋に移してじっくりと加熱する方法がおすすめです。一度解凍したカレーは、傷み防止のため再冷凍は避けてください。

カレーを保存する方法③常温

カレーを保存する方法③常温

カレーは、菌が繁殖しやすく傷みやすいため、基本的に常温保存はおすすめしません。常温に置いたカレーの賞味期限は、即日です。夏場や湿度の高い時期は、数時間常温に置いておくだけで傷んでしまい、食中毒のリスクが高まるので注意が必要です。

特に夏場、食べるまでに数時間かかる場合は、冷蔵庫で保存することをおすすめします。

長時間放置しない

カレーを常温に放置すると、菌が繁殖しやすく、わずか数時間でも食中毒を引き起こす可能性があります。菌が繁殖しやすい30~40℃前後の温度で放置するのは最も危険なため、常温に置く場合はこまめに加熱して高温の状態を保つ必要があります。

常温での保管は温度管理が難しいので、長時間放置するのは避けた方がよいです。

カレーを常温で放置するリスク

カレーを常温で放置すると、「ウェルシュ菌」という菌が繁殖しやすくなり、食中毒のリスクが高まります。ウェルシュ菌は、熱に強く高温で加熱しても死滅しません。50℃前後になると繁殖を開始するため、加熱後常温に放置したカレーは、ウェルシュ菌の繁殖リスクが非常に高くなります。


カレーのような濃度の高い汁物は、加熱後放置しても冷めにくく菌が繁殖しやすいため、速やかに冷蔵・冷凍保存することをおすすめします。

カレーを冷凍保存する際におすすめの具材・付け合わせ

カレーを冷凍保存する際におすすめの具材・付け合わせ

冷凍しても美味しく食べられるカレーの具材や、おすすめの付け合わせをご紹介します。冷凍しても食感が損なわれにくい具材を選んだり、水分の出にくい切り方をしたり、一工夫することで解凍後も美味しく食べられます。


具材

肉は、牛・豚・鶏・ひき肉等どんな肉でも冷凍できます。冷凍する場合は、肉は小さめに切ってしっかり火を通して冷凍します。野菜は、玉ねぎ・ほうれん草・なす・トマト・キノコ類などは、冷凍しても食感が変わりにくい具材です。食感が変わりやすいじゃがいもやにんじんは、冷凍する前にすりつぶしておくとよいです。


付け合わせ

おすすめの付け合わせは、とんかつや唐揚げなどの揚げ物や、チーズや卵、福神漬けなど。冷凍の際カレーの具材を小さめに切ったりすりつぶしたりするため、付け合わせを用意してボリューム感を出しましょう。

揚げ物やチーズなど、別で冷凍しておくと便利です。手作りでなくても、スーパーで購入したお惣菜を付け合わせにすると手軽にボリュームアップができます。

カレーを保存する際に知っておきたい傷みの見分け方

カレーを保存する際に知っておきたい傷みの見分け方

カレーは、冷蔵や冷凍で正しく保存していても傷んでしまうことがあります。保存したカレーをよく見て、次のような状態になってしまった場合は傷んでいる可能性が高いため、注意してください。


  • 表面が白っぽく変色している
  • カビが生えている
  • 酸っぱい臭いや発酵臭のような異臭がする
  • ネバネバしている
  • 糸をひいている

カレーは元々とろみがついていて色も濃いため、傷んでいても気づきにくい場合があります。食べる前によくかき混ぜて、様子を観察してください。傷んだカレーを食べると、嘔吐や腹痛などを引き起こす可能性があります。

カレーの保存方法に関するよくある質問

カレーの保存方法に関するよくある質問

カレーの保存方法について、よくある質問をまとめました。



冬の時期なら長時間の常温保存はOK?

気温の低い冬でも、たとえ一晩でも常温保存はNGです。冬でも室内の温度はある程度高いため、食中毒の危険があります。季節を問わず、カレーを保存する際はすばやく粗熱をとりましょう。2日程度で食べ切る分は冷蔵庫、もっと長持ちさせたい場合は冷凍庫での保存が基本です。


鍋ごと保存してもいいですか?

カレーを鍋ごと冷蔵庫に入れると、カレーの温度がなかなか下がらず、菌が繁殖しやすくなります。カレーの温度をムラなくすばやく下げるのが、食中毒を防ぐコツです。

そのため、鍋ごと保存する方法はおすすめできません。保存容器に移す際は、ムラなく時短で冷ますために底の浅い容器を選ぶと安心です。どうしても鍋ごと保存したい場合は、鍋のまま氷水にあてて、温度が下がるまで丁寧にかき混ぜながら冷ますとよいです。


冷蔵庫のチルド室で保存してもいい?

チルド室は、冷蔵室に比べて温度が低く、外気の影響を受けにくい特徴があります。温度管理がしやすいため、保存には適しています。ただし、凍ってしまう場合もあるので、冷凍保存と同様にじゃがいもやにんじんなど食感の代わりやすい食材は取り除くかすりつぶすなど、冷凍保存対策はしておくと安心です。


まとめ

まとめ

カレーは、基本的に常温保存は避け、冷蔵や冷凍で保存しましょう。保存の際は、できるだけすばやく温度を下げるのが、長持ちのコツです。一度冷蔵庫や冷凍庫から取り出したカレーは、再保存することなく食べ切るようにしてください。小分けにして冷蔵・冷凍しておくと、衛生面も安心で、食べたい分だけ取り出しやすく便利です。


保存のコツを押さえて、保存したカレーも最後まで美味しく食べ切りましょう。 

料理研究家/調理師・食育インストラクター

馬原 香織 監修



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