ほうれん草を冷凍保存する方法!【生・ゆで別】鮮度を保てる期間やコツも紹介

【ほうれん草の冷凍保存】生・茹でそれぞれの冷凍方法と活用レシピ解説

鮮やかな緑色と甘味が魅力のほうれん草。おひたしや汁物、炒め物などさまざまな料理で活躍してくれる便利な野菜ですが、ほうれん草は常温や冷蔵保存ではあまり日持ちがしません。



そのため、食べ切れずに余ってしまったほうれん草は冷凍保存を活用するのがおすすめです。冷凍保存なら、美味しさや鮮やかな色、栄養などを保ったまま保存できます。今回は、ほうれん草の冷凍保存する方法やメリット、保存期間について詳しく解説します。

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ほうれん草を生のまま冷凍する方法

生のまま冷凍したほうれん草は、サラダや炒め物、スープなどにそのまま使用できます。ほうれん草の風味や食感を生かしたい場合や、下処理する時間がない場合は、生のまま冷凍するのがおすすめです。

1.流水で根元の土を落としてから全体を洗う

1.流水で根元の土を落としてから全体を洗う

ほうれん草の根元を広げながら流水を当て、隙間についた土を洗い流します。次に、ほうれん草を逆さにして葉に水をかけながら、全体を丁寧に洗います。


洗う前に根元を3分ほど水につけておくと、土に水が染みて落としやすくなるのでぜひ試してみてください。

2.水気を拭き取り食べやすい大きさに切る

2.水気を拭き取り食べやすい大きさに切る

ほうれん草についた水気は、冷凍する際に霜の原因になるのでキッチンペーパーを使ってしっかりと拭き取りましょう。次に、3~4cm程度の食べやすい大きさに切ります。


根元はほうれん草の風味が強く栄養価も高いため、捨てずに小分けにして冷凍し、汁物などに活用するのがおすすめです。

3.小分けにして冷凍用保存袋に入れて冷凍保存する

3.小分けにして冷凍用保存袋に入れて冷凍保存する

冷凍保存する場合、葉や茎、根元などのパーツに分けて保存すると、使用する際にムラなく解凍できておすすめです。葉は冷凍すると砕けやすくなるため、1食分ずつ小分けにしておきましょう。


保存袋に入れたら空気を抜いて袋の口を閉じ、冷凍庫へ入れて保存します。急速冷凍機能がある場合は利用し、なければ金属トレーにのせて急速冷凍すると鮮度を保てます。

生で冷凍するメリット・デメリット

ほうれん草を生のまま冷凍するメリットは、そのまま冷凍できる手軽さと時短効果です。下茹での必要がないため、手間も時間もかかりません。使う時も、味噌汁やスープ、炒め物などに凍ったまま加えるだけで簡単に調理できて便利です。


一方デメリットは、ほうれん草を加熱してもえぐみが残りやすいことと、生のまま冷凍するとかさばってしまい保存スペースをとることです。ほうれん草は特有のえぐみ(アク)があるため、通常は加熱後に水にさらして取り除きます。


しかし、冷凍したものをそのまま調理すると、このえぐみが残りやすいという難点があります。そのため、えぐみを感じやすいお浸しや和え物には不向きです。炒め物や汁物など、他の食材や調味料と合わせる料理に使うと「えぐみ」を感じにくく、美味しく食べられるでしょう。

解凍方法

解凍方法

生のまま冷凍したほうれん草は、調理法によって解凍方法が異なります。



汁物や炒め物などの加熱調理に使用する場合は、解凍せず凍ったまま鍋やフライパンに入れて調理できます。サラダやおひたしのように生で食べる料理に使用する場合は、冷蔵庫に移すか電子レンジを利用して解凍しましょう。


ほうれん草のえぐみが気になる場合は、冷凍のまま30秒~1分ほど下ゆでするとえぐみが取り除けます。急いで解凍したい場合は、凍ったままのほうれん草に熱湯をかけて解凍すると時間の節約になります。

生冷凍ほうれん草の活用レシピ

生冷凍ほうれん草の活用レシピ

生で冷凍したほうれん草は、スープや炒め物、スムージーなどで活用できます。


●ほうれん草とベーコンのスープ(約10分)

鍋に水をいれて沸騰させ、コンソメ・ベーコン・冷凍生ほうれん草を加えて1分程煮たらできあがり。ビタミンCなどの水溶性ビタミンを損なうことなく摂取できます。


●ほうれん草ときのこの炒め物(約5分)

フライパンに油を熱し、冷凍生ほうれん草ときのこを炒め、塩こしょうと醤油少々で味付けします。油と一緒に炒めることでβカロテンが効率よく摂取できます。


●ほうれん草のスムージー(約5分)

冷凍生ほうれん草とバナナ、豆乳をミキサーに入れて混ぜます。好みで砂糖やレモン汁を加えてもOK。加熱しないため、ビタミンCや抗酸化成分が効率よく摂取できます。

ほうれん草をゆでてから冷凍する方法

ほうれん草の甘味を生かしたい場合や、鮮やかな緑色を残して保存したい場合は、ゆでてから冷凍する方法がおすすめです。また、ゆでることで解凍後もほうれん草のやわらかい食感が楽しめます。

1.流水で根元の土を落としてから全体を洗う

1.流水で根元の土を落としてから全体を洗う

ほうれん草は、きれいに見えても根元に土がついていることがあります。根元をしっかり広げて流水で流し、土を洗い流しましょう。



根元を3分ほど水につけておくと、こびりついた土が落ちやすくなります。根元が洗い終わったらほうれん草を逆さにして、葉にも流水を当てて全体をしっかり洗います。

2.かためにゆで氷水で冷やす

2.かためにゆで氷水で冷やす

鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩を加えます。1リットルの湯に塩は小さじ1杯が目安です。ほうれん草を根元から茎までを先に入れ、30秒ほどゆでたら全体を沈めて20秒ほどサッとゆでます。


ゆで終わった後はすぐに氷水に漬けるのがコツです。すぐに冷やすことで火の通り過ぎを防ぎ、冷凍保存した後も鮮やかな緑色をキープできます。

3.食べやすい大きさに切り小分けにして冷凍庫で保存する

3.食べやすい大きさに切り小分けにして冷凍庫で保存する

ほうれん草の根元をそろえ、手で絞って水気を切ります。次に、使う料理に合わせて食べやすい大きさに切り、1食分ずつ小分けにしてラップに包みます。冷凍用保存袋に入れて、空気を抜きながら口を閉じ、冷凍庫へ入れましょう。


食べやすい大きさに切った後に水気が出てきたら、再び絞ってしっかり水気を切るのが鮮度を保って保存するコツです。余分な水気を除いて冷凍保存すると、解凍後も美味しく食べられます。

茹でて冷凍するメリット・デメリット

ほうれん草を茹でてから冷凍するメリットは、下茹ですることでアクやえぐみが抜けて食べやすくなることと、茹でることでかさが減り、冷凍保存する際スペースを取らないことです。下茹でしてあるため、解凍後すぐに使える点も魅力です。


一方デメリットは、茹でる際にビタミンCなどの水溶性の栄養素が流失してしまうことと、下茹でして冷まし、水気を切るといった手間がかかることです。


下茹でしたほうれん草は、えぐみが少ないためお浸しや和え物、ナムルなどほうれん草そのものの風味を感じられる料理に向いています。また、えぐみを感じやすいクリーム系のグラタンやミルクスープなども、茹でて冷凍したほうれん草を使用すると美味しく作れます。

解凍方法

解凍方法

ゆでて冷凍したほうれん草も、調理法により解凍方法が異なります。炒め物や汁物に使用する場合は、凍ったままで調理可能です。おひたしや和え物のような料理の場合は、冷蔵庫に移したり電子レンジを活用したりして、一旦解凍してから味付けするのがおすすめです。


冷凍保存する前に下ゆでしておくことで、ほうれん草のえぐみを感じず野菜本来の甘味を感じられます。

茹で冷凍ほうれん草の活用レシピ

茹で冷凍ほうれん草の活用レシピ

茹でてから冷凍したほうれん草は、アクやえぐみが抜けているため、すぐに調理に使えて便利です。一食分ずつラップで包んで冷凍しておくと、解凍時間も少なく時短で調理できます。


●ほうれん草のお浸し(約5分)

冷凍ほうれん草を解凍し、水気をよく絞ったら醤油や白だしをかけて出来上がり。


●ほうれん草のごま和え(約5分)

冷凍ほうれん草を解凍し、水気を絞って、すりごま・砂糖・しょうゆで和えます。


●ほうれん草のバターコーンソテー

冷凍ほうれん草を凍ったままフライパンで炒め、コーンを加えて、バター・塩こしょうで味付けします。


ほうれん草の冷凍保存のメリット・デメリット

ほうれん草を冷凍保存しておくと、下処理にかける時間が短縮できるというメリットがあります。加熱調理に使う場合は、冷凍食品のように凍ったまま活用できるので便利です。


さらにもう一つのメリットは、冷凍することによって栄養をそのままキープできることです。ほうれん草は特にビタミン類が豊富な野菜ですが、収穫後時間が経つごとに栄養は失われてしまいます。冷凍庫で保存すれば、ほうれん草の持つ甘味や栄養を保てるだけでなく、変色もせず鮮やかな緑色が保てます。また、食べ切れない分を冷凍することで、食費の節約にもつながります。


一方、デメリットは、冷凍・解凍をすることで食感が変化してしまうことです。冷凍・解凍の過程で細胞が壊れ、シャキシャキ感が失われます。さらに解凍時は、氷の結晶が溶け出ることで水分が出やすく、ベチャッとした食感になりがちです。

ほうれん草の冷凍保存時の注意点

ほうれん草を冷凍保存する際は、乾燥や冷凍焼け、異臭の吸収を防ぐことが重要です。保存する際は、水気をしっかり拭き取りラップなどで小分けにし、密閉袋に入れて乾燥から守ります。また、保存袋の空気をしっかり抜くか真空の保存容器を使用することで、冷凍焼けや異臭の吸収を防げます。


薄い袋やラップだけで保存すると、冷凍焼けして色が悪くなったり、臭いの強い食材と一緒に保存した場合に異臭が移ったりするので、注意してください。

冷凍ほうれん草の品質を保つコツ

冷凍ほうれん草の品質を保つには、急速冷凍・密閉・温度管理がポイントとなります。熱伝導のよい金属トレーにほうれん草を広げて冷凍すると、急速に冷凍でき、氷の結晶ができにくく食感をキープできます。保存袋は破れにくく臭いのつきにくい厚手のものを使用し空気を押し出すか、真空の保存容器を使用します。冷凍庫の温度は-18℃をキープして、開閉を最小限にし温度変化を防ぐと、鮮度を保った状態で保存できます。

ほうれん草は何ヶ月くらい冷凍保存できる?

ほうれん草の冷凍での保存期間は、約1ヶ月です。ほうれん草は傷みやすい野菜なので、常温では約1~2日程度、冷蔵庫での保存期間は3~5日程度しか日持ちしません。



常温や冷蔵保存の場合は、時間が経つごとに栄養や美味しさが損なわれていくため、食べきれない場合などは冷凍保存を上手に利用するのがおすすめです。

ほうれん草は賢く冷凍保存して献立に活用しよう

甘味ややわらかな食感が魅力のほうれん草ですが、傷みやすく、保存方法を間違えるとすぐに食べられなくなってしまいます。たくさん購入した場合やすぐに食べない場合は、栄養や美味しさを長期間キープできる冷凍保存を活用するのがおすすめです。


コツを押さえて冷凍保存しておけば、調理時間も短縮できて便利です。彩りのよいほうれん草を使った料理が並ぶと食卓が華やかになり、食欲を刺激してくれるでしょう。ぜひほうれん草を冷凍保存して、日々の食卓で気軽に活用してみてください。

料理研究家/調理師・食育インストラクター

馬原 香織 監修



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